瞑想とは?どんな効果があるの?
瞑想を一言で言うと、心を落ち着かせる練習です。
科学的な研究でも、わずか数分の瞑想でも脳や心身に良い影響があることが証明されています。
現代社会はストレスや情報過多で、私たちの心は常に忙しく動いています。瞑想は、この「心の騒音」を静めて、内なる平静を取り戻すための効果的な手段の一つです。
瞑想の科学的効果(厚生労働省eJIMより)
以下は厚生労働省「統合医療」情報発信サイト(eJIM)に掲載されている研究結果です。
不安症への効果
2018年の研究(12,000人以上)で、マインドフルネス瞑想は不安症状の軽減に有用であることが確認されました。
2021年の23研究(1,815人)でも短期的な効果を確認
うつ病への効果
マインドフルネス瞑想は、無治療と比較してうつ症状の改善に優れた効果を示しています。
認知行動療法と同等の有用性(2018年研究)
血圧への効果
2020年の研究(1,100人以上)で、健康上の問題がある人の血圧低下と関連することが示されました。
※米国心臓協会は「有用の可能性がある」と評価(2017年)
不眠症への効果
2019年の研究(1,654人)で、睡眠の質を改善し、認知行動療法と同等の効果があることが示されました。
教育的治療よりも有効
慢性疼痛への効果
2017年の30研究(2,561人)で、慢性疼痛に対して他の治療法より有効であることが確認されました。
オピオイド使用患者の疼痛軽減にも関連
禁煙・依存症への効果
2018年の研究(3,531人)で、物質使用障害の渇望レベルを有意に減少させることが示されました。
薬物使用からの断絶を促進
📌 安全性について(厚生労働省eJIMより):
2020年の83研究(6,703人)のレビューでは、約8%の参加者が不安や抑うつなどのネガティブな影響を受けたと報告されています。これは心理療法で報告される割合とほぼ同じです。瞑想は一般的に安全ですが、体調に不安がある方は医師にご相談ください。
初心者向け瞑想のやり方
瞑想は難しいものではありません。様々な流派と型がありますが、すべての基本は呼吸を行うことです。
準備:楽な姿勢で座る
場所: できるだけ静かで落ち着ける場所を選びます
姿勢: 椅子に座るか、床にあぐらをかいて座ります
背中: 背筋を自然に伸ばし、肩の力を抜きます
手: 膝の上に軽く置くか、お腹の前で組みます
💡 コツ: 完璧な姿勢や型にこだわらず、リラックスを優先してください。
状態:目を閉じる or 半眼
基本: 優しく目を閉じます
半眼: 薄く目を開けて床の一点を見つめてもOK
全身: 意識的に筋肉を緩めて、脱力します
💡 コツ: 眠くなってしまう場合は半眼を試してみてください。
集中:呼吸に意識を向ける
基本: 意識してゆっくりと鼻で呼吸します
観察: 息が出て、新たに入ってくる感覚を感じます
注意: 呼吸をコントロールしようとしません
💡 コツ: 鼻息の音がしないくらいゆっくりと行います。
対処:雑念が浮かんだら
当然: 考えが浮かぶのは自然なことです
気づき: 「あ、違うこと考えている」と気づきます
帰還: 気付いたら呼吸に意識を戻します
継続: この繰り返しが瞑想の練習です
💡 コツ: 雑念が気になる時は、頭の中で呼吸の秒数をカウントするのもおすすめです。
基本の呼吸法
瞑想には様々な呼吸の方法があります。はじめのうちは難しく考えずにシンプルに一定のリズムで鼻呼吸しましょう。
シンプル呼吸法
下の円に合わせて鼻で呼吸してみましょう。円が大きくなる時に息を吸い、小さくなる時に息を吐きます。これは、10秒で吐いて10秒で吸う呼吸法です。慣れるまでは長いと感じるかもしれませんが、このくらいゆっくり行いましょうという一例で、必ずしも10秒に拘る必要はありません。
呼吸のポイント
- 無理をせず、苦しくない範囲で行う
- 10秒が苦しい場合は8秒や6秒など、自分に合ったリズムで行う
- 胸ではなくお腹で呼吸する(腹式呼吸)
- 吸いすぎて痛みを感じる場合は、吸うのを止めてキープする