⚠️ 重要な注意事項

この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的アドバイスではありません。ドライアイの症状や治療については個人差があるため、必ず眼科医の診断・指導を受けてください。

記載されている対策や情報は参考知識の一つとして、医師の指導の下で実践することをおすすめします。

ドライアイの実態

📊 日本のドライアイ統計データ

👥
2200万人
推定患者数
日本全体のドライアイ患者数と推計
出典:国立長寿医療研究センター
🏢
65%
オフィスワーカーの割合
確定例・疑い例の合計
出典:大阪スタディ(2012年)
📈
11.6%
確定例
54.0%
疑い例
オフィスワーカーを対象とした大規模疫学調査結果
出典:大阪スタディ(2012年)

このデータからもわかるように、ドライアイは現代人の多くが直面する目の健康問題となっています。特にデスクワークが中心の職場環境では、より多くの方がドライアイの症状を経験していることが明らかになっています。

ドライアイの症状チェック

ドライアイ症状をチェックしてみましょう。以下がよくあるドライアイの症状で、当てはまる項目が多いほど、ドライアイの可能性があります:

目が乾いた感じがする
目がゴロゴロする・異物感がある
目が疲れやすい
目が重たい感じがする
視界がぼやける・かすむ
目が充血しやすい
光がまぶしく感じる
目やにが出る
10秒以上目を開けていられない
涙が出るのに目が乾く感じがする

特に、10秒以上目を開けていられない場合はドライアイの可能性があるため、眼科での相談をおすすめします。

よくあるドライアイの原因

目の表面には「涙の膜(なみだまく)」が常に広がっていて、 例えるならこれが目を守る液状のバリアとなっています。ドライアイは、このバリアが薄くなり、 目の防御力が低下した状態です。目の表面には細かい神経が張り巡らされているため、 バリアがないと、敏感に反応したり傷つきやすい状態となります。

主なドライアイの原因:

  • まばたきの減少:スマホやパソコンの画面を長時間見続けることで、まばたきの回数が減少
  • 乾燥した環境:エアコンや暖房による湿度低下
  • 加齢やコンタクトレンズ:年齢による涙の質の変化、コンタクトレンズの長時間装着

ドライアイがひどくなると

ドライアイの症状がひどい状態を放置すると、以下のような問題が生じる可能性があります:

  • 目の表面に傷がつきやすくなる
  • 視界のぼやけが慢性化する
  • 目の疲れが取れにくくなる
  • 頭痛や肩こりの原因になることも

症状が強かったり長引く場合は、眼の表面に負担がかかっている可能性があり、早めの眼科受診が推奨されます。ドライアイがひどくなると日常生活にも支障をきたすため、早めの対処が大切です。

自分でできるドライアイ対策

ドライアイを自力で改善するための日常的な対策をご紹介します。ただし、症状が改善しない場合は眼科受診が必要です。

1. 生活習慣の見直し

意識的なまばたき:画面作業中は意識的にまばたきを増やす
定期的な休憩:1時間ごとに5〜10分の休憩
適切な画面距離:モニターから50cm以上離れる

2. 環境の改善

加湿器の活用:室内の湿度を40〜60%に保つ
エアコンの風向き調整:直接目に当たらないように
照明の調整:画面のまぶしさを軽減

3. 目のケア方法

目薬の使用:人工涙液タイプの目薬で潤いを補給
目元を温める:温かいタオルやホットアイマスクで1日2〜3回、5分程度
目の周りをマッサージ:優しく円を描くように
十分な睡眠:目を休める時間を確保

ドライアイ用の目薬について

ドライアイ用(人工涙液)

✅ ドライアイに適している

  • 涙を補う成分
  • 保湿効果
  • 長期使用OK
  • 副作用が少ない
⚠️

血行促進・充血対策用

❌ ドライアイには不適切

  • 血管収縮剤配合
  • 一時的に充血を抑制
  • 連続使用でリバウンド現象により症状悪化
  • リバウンド現象のリスク

💡 重要なポイント

ドライアイの改善には人工涙液タイプを選択しましょう。
充血対策用は症状を悪化させる可能性があります。
私自身も長年、間違った目薬選びを行っていました。

眼科では、ドライアイの症状に応じて様々なタイプの目薬が処方されます。市販の目薬と異なり、症状に合わせた成分が配合されています。

眼科で処方される目薬のタイプ:

  • 涙の成分を補うタイプ
  • 涙の分泌を促すタイプ
  • 目の表面を保護するタイプ

近年は、涙の分泌を促したり、目の表面を保護する新しいタイプの処方薬も登場しているようです。ドライアイに適した目薬は、症状や原因によって異なるため、眼科医の診断が重要です。

ドライアイの根本的な改善に向けて

ドライアイの改善には、一時的な対処だけでなく、継続的なケアが必要です。生活習慣の見直しと、必要に応じた眼科での適切な対応が大切ですね。

自分でできる対策を実践しながら、必要に応じて専門的なケアを受けることで、目の健康を守っていきましょう。

📚 参考文献

  1. ドライアイ研究会「ドライアイの定義と診断基準(2016年版)」 https://dryeye.ne.jp/
  2. 日本眼科学会雑誌「ドライアイ診療ガイドライン」(第123巻 第5号、2019年) 詳細はこちら
  3. 日本眼科医会「ドライアイに悩む方へ―生活の注意と治療の目安―」 https://www.gankaikai.or.jp/health/52/index.html
  4. 大阪スタディ(2012年)- オフィスワーカーのドライアイ疫学調査 研究成果詳細
  5. 国立長寿医療研究センター「急増するドライアイ」(病院レター第72号、2018年) https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/letter/072.html
  6. ドライアイ研究会 世話人代表ごあいさつ - 患者数2000万人以上の推計 https://dryeye.ne.jp/about/greeting/
【免責事項】

本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、医学的アドバイスではありません。 特定の症状や疾患の診断、治療、予防を目的としたものではなく、医師による診察や治療の代替となるものでもありません。

  • 記載内容は医療行為ではありません
  • 自己診断や自己治療の根拠として使用しないでください
  • 症状が気になる場合は、必ず眼科医にご相談ください
  • 記載されている対策を実施する際は、ご自身の体調や状況に応じて適切に判断してください
  • 本記事の情報により生じたいかなる損害についても、責任を負いかねます