【一眼カメラの絞り(F値)の設定】
一眼カメラで動画撮影を行う最初の目的が、「映像をボカしていい感じの雰囲気を出したい」という方は多いと思います。実際に私もそうでした。映像をボカして撮影するポイントは大きく3つあります。
①フルサイズのようなセンサーサイズが大きな一眼カメラを使う。
②被写体をアップで映して被写体と背景の距離を遠くする。
③絞り(F値)の数値を小さく設定する。
①は、カメラ本体の性能に依存しますので、カメラの買い替えが必要になります。
②は、撮影する時に意識することでクリアできます。
ここでは③の、今手元にあるカメラで一番ボケる設定方法についてご紹介します。
カメラのボケ具合の設定は【絞り(F値)】の数値で決まります。数値が小さいほどよくボケます。カメラのF値で設定できる数値は、レンズの性能によって変化します。レンズのスペック表を見てみると【F2.8】などのF値が書かれています。これがこのレンズの一番ボケる設定数値となります。そのため、ボカしたい時はできるだけF値の数値が小さいレンズを使用します。絞りについて調べるとよくこんな画像を目にします。
■絞り(F値)のレンズ内イメージ
数値を小さくすることをレンズの絞りを開ける。数値を大きくすることをレンズの絞りを絞ると言います。数値を上げるとレンズの中が閉じるイメージです。絞りを絞ることでフォーカスが合う範囲が広くなりボケにくくなります。この原理から、背景をボカしたい時は、最大まで絞りを開ける【開放】に設定します。一般的な標準レンズで設定できる最小F値設定は、3.5前後になると思います。F1.8などのようにさらにボケるレンズは、高価な単焦点レンズがほとんどとなります。
■F値を変えたボケの変化比較
▼F1.7で撮影
▼F3.5で撮影
▼F5.6で撮影
▼F16で撮影
このようにF値が小さいほどボケるというのがカメラの設定上の基本となります。
■実際の撮影シーンでボカす方法
F値が小さいほどボケるというのがカメラの設定上の基本となるのですが、実際の撮影シーンでは冒頭に書いた②被写体をアップで映して被写体と背景の距離を遠くする。という部分も重要になります。この部分が特に重要になるのがズームレンズを使っている時です。通常のズームレンズの特徴として、広角(ズームしない)時と望遠(ズーム)時で最小設定できるF値が変化します。例えばズームなしでは、F3.5まで設定できるけど、ズームするとF5.6までしか設定できないといった感じです。この場合ズームするとF値の数値は5.6と大きくなってしまい一見ボケにくくなるのですが、構図としてはズームした方が格段に被写体に近づけるという状態になります。こういった時はズームにして、ズーム時にできる最小F値に設定した方がボケることがあります。
▼ズームレンズで広角(ズームしない)でF3.5で撮影
▼ズームレンズで望遠(ズーム)でF5.6で撮影 F値は上がっていますが被写体に近づける距離がアップして背景がしっかりボケています。
お手持ちのレンズでF値の設定と被写体との距離を変えながら実際に試してみてください。
また、絞りの練習をする時はカメラの絞り優先モードを使って絞りだけ変えて撮影できるようにするのもオススメです。