📖 目次
この記事を書いている人
川原 健太郎
シンユー合同会社 代表 / モーションデザイナー
- VEGAS Pro 使用歴:20年以上(Vegas 4.0〜最新版まで全バージョン使用)
- 職業:広告・PR動画の企画制作(実務経験15年以上)
- 主な制作実績:動画広告、企業VP、アプリ内動画、YouTube動画など
- YouTube:TORAERA / チャンネル登録者数 約6.4万人
- 本レビュー検証環境:Windows 11、Core i7-14700F、RTX 5070 12GB、メモリ64GB
※本レビューは20年以上VEGASを使い続けてきた実務経験者による個人の使用感に基づいています。使用環境や用途によって評価は異なる可能性があります。
VEGAS Pro 23の正直な感想
結論から言いますと、VEGAS Pro 23はここ数年で一番いいアップデートです。
動画編集中のプレビュー再生と編集後の書き出し処理が、目に見えて高速化されているのがその理由です。
発売から10日間、ほぼ毎日触っていますが特にトラブルもなく問題なく使用できています。
20年で感じた、VEGASの最大の進化
VEGAS 4〜7時代:基本機能の確立
私がVEGASを使い始めた2000年代初頭。当時は、作曲ソフトの「ACID Pro」と効果音作成ソフトの「Sound Forge」と連携して動画に音を付けるソフト「VEGAS」という位置付けでした。動画とNGMと効果音をミックスして最終的な動画を作成する。その中で動画も編集できるという感じ。
VEGAS 8〜13時代:MAGIX移行と安定期
開発がSONYからMAGIXへの移行後、動画編集ソフトとしての機能が充実していきました。スタート地点が動画に音を付けるということもあり、動画編集ソフトなのに、音編集ソフト(DAW)と同等のDXプラグイン・VSTプラグイン対応がこの時代からできていた総合力の高い動画編集ソフトでした。そして、「Premiere」などの同時代の他の動画編集ソフトより圧倒的に動作が軽いというのが強みでした。
VEGAS 14〜19:GPU対応の遅れ
動画の画質がSD(DVD画質)からHD、4kへと移り変わり動画編集の処理はどんどん重くなりました。PCの必要スペックもどんどん上がり、グラフィックボードを使ったGPU支援で処理を分散するのが主流になっていきました。しかし、VEGAS ProはこのGPUの波に乗り遅れました。GPUを使う機能は実装されていたものの、なかなか実用レベルに到達できず、どんどんVEGAS Pro自体の動作が不安定になるという苦しい時代でした。この時代のVEGAS Proはまず設定で「GPU支援をオフにして使う」というのがセオリーになっていました。
VEGAS 20〜22:GPU対応の安定化とAI機能搭載
出遅れていたGPU対応がようやく形となってきて、ようやくVEGAS Proの安定感が戻ってきました。さらにAIを使った新たな機能との統合も行われました。
そして、VEGAS Pro 23:リニューアル完成形の第一弾
今回の23は、VEGAS Pro 14から積み重ねた、GPU支援などの動画編集ソフトとしての近代化が完了したリニューアルの第一弾とも言えます。GPU支援が実用レベルに達し、新たなコアエンジンとして処理速度も劇的に向上。9年かけて、ようやく「理想のVEGAS」に近づいたと感じています。
VEGAS Pro 23の新しい処理エンジン
1. VEGASコアエンジンで処理速度の劇的向上 - 前バージョン比4倍!?
これは本当に体感できます。公式のモデルケースでは、最大4倍高速化とありますが、私の環境では約2倍近くの高速化が確認できました。同じプロジェクトファイルを使ってVEGAS Pro 22と23で比較してみました。
実測:1分の4K動画(3840x2160、60fps、iPhone 13Proで撮影した動画)
単純なカット編集のみでのレンダリング時間
- VEGAS Pro 22:52秒99
- VEGAS Pro 23:30秒09
※検証環境(メインPC):OS:Windows 11、CPU:Intel Core i7-14700F (2.1GHz-5.3GHz)、メモリ:64GB、GPU:NVIDIA GeForce RTX 5070 12GB
約1.8倍の高速化を計測。4K60fpsのレンダリング処理が大幅に改善され、編集作業の効率が飛躍的に向上しました。
VEGASコアエンジンの効果がレンダリング時間として目に見えて確認できました。プレビュー再生の高速化に関しては、私のメインPCのスペックではVEGAS Pro 22でもサクサク再生と編集ができているので、その差は体感できませんでした。
2. PCのスペックを落として再検証
メインPCのスペックではプレビューの差がわからなかったので、普段動画編集には使っていないサブPCで再検証してみました。公式情報による最大4倍高速化のモデルケースに使われているPCのスペックは、約10年前くらいのものなので、少しそこに近づけるイメージで行ってみました。
実測:1分の4K動画(3840x2160、60fps、iPhone 13Proで撮影した動画)
単純なカット編集+カラーグレーディングエフェクトを適用した最高画質プレビューの再生レート
- VEGAS Pro 22:約31fps
- VEGAS Pro 23:約54fps
※検証環境(サブPC):OS:Windows 11、CPU:Intel Core i5-10400、メモリ:16GB、GPU:NVIDIA GeForce GTX 1660 6GB
プレビュー再生でも約1.7倍の高速化を計測。スペックが高くないPCでは、プレビューでもその効果が確認できました。
続けてレンダリング時間も比較してみました。
実測:1分の4K動画(3840x2160、60fps、iPhone 13Proで撮影した動画)
単純なカット編集+カラーグレーディングエフェクト適用でのレンダリング時間
- VEGAS Pro 22:3分13秒04
- VEGAS Pro 23:1分57秒50
※検証環境(サブPC):OS:Windows 11、CPU:Intel Core i7-6600、メモリ:32GB、GPU:NVIDIA GeForce GTX 1660 6GB
約1.6倍の高速化を計測。こちらも23の方が速い結果となりました。サブPCでの検証でも、レンダリング時間の短縮効果を確認できました。タスクマネージャで確認するとCPUが一定間隔で100%に達し、GPU使用率が50%前後だったため、CPUがボトルネックになっていたものと思われますが、それでも大幅な改善が見られました。
サブPCでの検証により、スペックが高くないPCでもVEGASコアエンジンの効果がプレビュー再生とレンダリングの両面で確認できました。特にプレビュー再生のフレームレート向上は、編集作業の快適性に直結する重要な改善です。
3. カラーグレーディングの再構築
VEGAS Pro 23では、カラーグレーディング機能も強化されました
- 処理の高速化:VEGASコアエンジン最適化でプレビューとレンダリングを高速化
- UIの再構築:パネルの再構築で動作性を向上
- Color Grading Panel:DaVinci Resolveのような専用UIが追加
- LUT対応強化:.cubeフォーマットのLUTがスムーズに読み込める
色補正としての「カラーコレクション」作業と色調作成の「カラーグレーディング」の両方の作業がスムーズに行えるようになり、レンダリング時間も短縮されています。
4. 動画編集全体の操作感の改善
動画編集ソフトとしての基本に立ち帰った多くの改善が行われています。
詳しい説明はこちらの動画をご覧ください。
どんな人におすすめ?
20年使ってきた私の視点から、VEGAS Pro 23をおすすめできる人・できない人を整理します。
強くおすすめできる人
- VEGASシリーズの既存ユーザー - 古いバージョンを使っている方はアップグレードする価値あり
- YouTuberやSNSクリエイター - スペックのそんなに高くないPCでもサクサク動く
- 月額費用を抑えたい人 - 買い切りで長期的にコスパ最高
- 処理速度を重視する人 - グラフィックボードでGPUが使えれば4K60fpsもサクサク編集できる
- 小規模動画制作業務 - デザインやWebのサイド業務や社内で動画を作る人にも最適
他のソフトを検討した方が良い人
- Macユーザー - VEGAS ProはWindows専用なので使えません
- Adobe製品エコシステムに依存している人 - 業界標準ツールとしてAdobe製品が必要な方はPremireを使う方が効率的です。
- テンプレート重視の人 - 素材は自分で用意する必要あり
- カラグレ特化の人 - DaVinci Resolveの方が強力
価格について:買い切りで使えるコスパの良さ
Premiere Proが年間約28,000円の月額課金制なのに対し、VEGAS Pro 23は買い切り型。一度購入すれば追加費用なしで使い続けられます。長期的に見れば圧倒的にコストパフォーマンスが高いです。
VEGAS Pro 23 価格
(買い切り・税込・月額費用なし)
🔥 セール時参考価格:¥18,800(38%OFF)
定期的にセールが開催されています!
今セール開催中か公式サイトをチェックしてみましょう。セールを逃すと約12,000円の差になります。
※価格は変動する可能性があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。
※1つのライセンスで2台のPCに同時インストール可能
初心者の方でも1日で使える!
VEGAS Proの動画編集操作はとても簡単です。下記の動画を見ていただければ基本的な使い方は約30分でわかります。まず、こちらを実践してみてください。
さらに本格的なアニメーションもできる!
VEGAS Proには本格的なアニメーション作成機能があります。私自身がモーションデザイナーなのでそちらが本職ということもあり、VEGAS Proを使ったアニメーション作成の動画講座を作りました。現在VEGAS Proを購入するとこちらの動画講座も付属しています。
まとめ:VEGAS Pro 23は「買い」なのか?
結論:20年使ってきた私の答えは「はい!」です。
特に以下に当てはまる方には強くおすすめします:
- 月額課金を避けたい方(買い切りで永続使用可能)
- 処理速度を重視する方(前バージョン比最大4倍高速化)
- YouTubeやSNS用の動画を作る方(サクサク編集できる)
- 既存のVEGASユーザー(アップグレード価値あり)
ここ数年で最高のアップデートです。定期的にセールも開催されているので、今が購入のチャンスかもしれません。こちらの公式サイトでチェックしてみてください!
よくある質問(FAQ)
Q1. VEGAS Pro 23は初心者でも使えますか?
A. はい、使えます。動画編集の基本操作は非常にシンプルで、約30分の解説動画を見れば基本操作は習得できます。直感的なインターフェースで、他の動画編集ソフトよりも学習コストが低いのが特徴です。
Q2. VEGAS Pro 22からのアップグレードは必要ですか?
A. 処理速度に不満がある方には強くおすすめします。レンダリング時間が最大4倍高速化されており、編集作業の効率が大幅に向上します。特に4K動画を扱う方は体感できる差があります。
Q3. MacでVEGAS Pro 23は使えますか?
A. いいえ、VEGAS ProはWindows専用ソフトです。Macをお使いの方は、Final Cut ProやDaVinci Resolveなどの別の動画編集ソフトをご検討ください。
Q4. 推奨スペックはどのくらいですか?
A. 4K動画編集を快適に行うには、Core i5以上のCPU、16GB以上のメモリ、GTX 1660以上のGPUを推奨します。本レビューではCore i7-6600 + GTX 1660でも十分な性能を確認しています。
Q5. 買い切り版と月額版の違いは?
A. VEGAS Pro 23は買い切り型のソフトウェアです。一度購入すれば永続的に使用でき、月額料金は発生しません。1つのライセンスで2台のPCに同時インストール可能です。
Q6. セールはいつ開催されますか?
A. ソースネクストさんでは定期的にセールが開催されており、通常価格¥30,350のところ、セール時には¥18,800(38%OFF)で購入できることがあります。公式サイトで最新のセール情報をご確認ください。
【免責事項】
この記事は個人の使用感に基づくレビューです。20年以上VEGASを使用してきた筆者の主観的な意見が含まれています。使用環境や用途によって評価は異なる可能性があります。価格や仕様は変更される場合がありますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。
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